デザイナーズマンション
【デザイナーズマンションとは】
最近、デザイナーズマンションという言葉を、不動産広告などでよく見かけるようになりました。1990年代中頃から、若者向けの情報誌やファッション誌などに、デザイナーズマンションが取り上げられるようになり、広く認知されるようになっていったようです。
デザイナーズマンションといえば打ち放しコンクリートをイメージする人も多いと思います。この打ち放しコンクリートをファッショナブルな建築素材に変身させた建築家として有名なのが、「光の教会」「六甲の集合住宅」「表参道ヒルズ」など多くの建築を手がけ、世界中の賞を獲得している安藤忠雄氏です。彼が手がけた打ち放しコンクリート仕上げのお洒落な建築デザインは、デザイナーズマンションの代名詞といっても過言ではありません。
さらには、シンプルで真っ白な空間の演出だったり、床から天井までの大きな窓や吹き抜けとらせん階段、ガラスで仕切られたサニタリー、60平米のワンルーム、キッチンが室内の中心にある等々、どんどん進化し続けています。それらは、現代の多種多様な都市居住形態を可能にするために用意された建築デザインといっていいでしょう。
そもそも、デザイナーズマンションという名に、固定された定義があるわけではありませんが、デザイナーズという言葉からもわかるように、大雑把に言うと、設計者であるデザイナーがこだわりを持ってデザインしたマンションと言うことができると思います。よく見られる賃貸住宅の多くは、いかに効率的に安く住宅を供給できるかという部分に焦点が置かれているため、単に「生活する」ということを目的としているのに対し、デザイナーズマンションは建築家が頭に描いたコンセプトがそのまま反映された空間なのです。
建築家に課せられたテーマは、いかに既成の住空間イメージを払拭し、新しい住空間デザインを提案できるか、また、いかに現代都市に暮らす人たちが潜在的に求めている住空間モデルを提案できるかということであります。その意味では、賃貸マンションという形態がもっとも都合がよく、分譲マンションには、デザイナーズマンションはあまり多くは見られないようです。
建築家のこだわりが居住者のこだわりと一致したとき、デザイナーズマンションは大変魅力的な住まいとなります。実際に、「家で過ごす時間を大切に豊かにしたい」「人とは違った自分だけのこだわり生活を実現したい」と言ったニーズの高まりや、ライフスタイルの多様化などもあって、20代30代の特に都市圏で、これらデザイナーズマンションを求める人たちが増えていると言われています。
【メリット】
・人とは違う住居を楽しむ
デザイナーズマンションのメリットは、人とは違う住居に住めるということです。衣・食・住それぞれ個性が大切にされる時代です。住居に関して個性を大切にするという意味では、デザイナーズマンションは大変魅力的です。斬新なデザインや設備など、他の人とは違う住まいを堪能できることでしょう。
普通とは違う住まいと聞くと実用性がないように思われがちです。確かに、以前は収納スペースがまったくないなど、実用性の優先順位は低く考えられているマンションもありましたが、最近はでは入居者のニーズにあわせて、住みやすさとかっこよさをバランスよく兼ね備えたタイプの部屋も増えてきているようです。自分のニーズと感性にあわせて、デザイナーズマンションを選ぶと良いでしょう。
・インテリアをショーアップしやすい空間
ドラマに出てくるようなおしゃれなデザイン家具を置きたいと思っても、住まいとマッチングしなくて諦めたという人は多いのではないでしょうか。その意味では、デザイナーズマンションは、個性的なインテリアが大変似合う居住空間と言えます。おしゃれなライフスタイルを楽しみたい人にとって、デザイナーズマンションは最適な選択肢のひとつと言えそうです。
・建築家のこだわりを感じ取れる空間
建築家のこだわりを感じられる住まいというのは、そう多くはありません。しかし、デザイナーズマンションは、建築家のこだわりをはっきりと感じられる空間となっています。
例えば、普通ならたくさんの部屋を作れそうな空間を、わざと各部屋の敷居を無くすことで1つの部屋にしてしまい、開放感を演出したマンションや、逆に一般的には敬遠されそうな、照明のくらい、3帖程の小部屋しかないマンションなのですが、「読書をするためのひとりで静かにこもれる部屋」と、嬉々として入居された方がいるマンションとか・・・。
建築家ごとにコンセプトやこだわりが異なるため、こだわりをもって住居を探す方には選択バリエーションが豊富にあるといえます。物件をチェックするときは、間取り図だけでは判断できない良さがたくさんありますので、実際に見にいって確認すると良いでしょう。
・資産価値
著名な建築デザイナーによる作品であれば、ファンも多く、資産価値としても期待できます。不動産投資としても、デザイナーズマンションの人気は上がっているようです。
【デメリット】
・デザイナーズマンションは住みにくい?
デザイナーズマンションは、建築家のコンセプトが理解できない入居者にとっては住みづらいかもしれないということがあります。デザイナーズマンションへのあこがれだけで借りてしまうと、後で後悔することにもなりかねません。この辺のところは、メリットとデメリットが表裏一体になっているという感じでしょうか。したがって、どんなコンセプトで建てられたマンションなのか、そこでの生活はどんなイメージなのか、借りる前にしっかりとチェックすることが必要です。
・賃料・販売価格などコストが高い
デザイン面でコストがかかっているため、賃料や販売価格にその分上乗せされる傾向にあります。一般的に、家賃は相場の1割程度高め。人気のある物件なら2割ほど高いこともあります。また、オリジナル性が非常に高いので、同様のマンションを見つけて比較するということが難しく、適正価格がいくらなのか判断しにくい部分があります。
・維持費が高い
また、維持費に関しても、ザイン性を重視しているため、一般のマンションに比べて、耐久性にはそれほどコストをかけていないところもあり、コストがかかる傾向があります。例として、よく見られるコンクリート打ち放しの壁は、壁面塗装されていない分、雨や直射日光の影響を受けやすく劣化が早くなり、メンテナンスをこまめにしていかなければなりません。つまり、それだけ維持費がかかるということです。さらに内観のデザインが凝っている分、1回の修繕費そのものも高額になります。見た目のデザインだけに注目するのではなく、修理の手間がどれだけかかるか、というポイントも物件選びの基準のひとつといえます。
・将来のライフスタイルの変化に対応できるか?
ライフスタイルは、様々な理由で変化していくものです。購入時にはその作りが気に入って納得した上で購入したとしても、ライフスタイルの変化によって、将来も対応できるかという問題があります。例えば、同居人が増えて部屋をアレンジしたくなっても、構造が特殊すぎて対応できない物件も多いです。将来のことも視野に入れながら、賃貸・購入を考える必要があります。
【最近のデザイナーズマンションの傾向】
・オーダーメイドのデザイナーズマンション
一部では使い勝手の悪さなどのデメリットがあるデザイナーズマンションですが、最近は、フルオーダーのマンションも開発されるようになり、そのイメージが払拭されるようになってきています。従来のマンションでは、決められた枠でしかメニューを選べなかったのに対し、オーダーメイドのマンションは、水廻りやコンセントの位置といった細かい部分に至るまで、変更が可能だったり、家族の構成に応じて間取りを変えたりと、自由度が大変に高くなっています。このような形のデザイナーズマンションはこれから注目が集まりそうです。
・周辺外観との融合
デザイナーズマンションに見られる工夫のひとつとして、周辺環境とマッチした住宅作りが挙げられます。例えば、海岸近くでは、海の景色をいつでも楽しみたいと思うものです。そこで、メゾネットタイプの住居にしてすべての部屋に窓を配置することで、どの部屋からもその絶景のオーシャンビューを望むことができるようにデザインするわけです。周囲の環境との融合も、これからのデザイナーズマンションにとって大切な要素かもしれません。
・様々なプラン
デザイナーズマンションの中には、インテリアショップとコラボレーションして作られているような、ユニークなプランのものも登場しています。内装も外観に見合ったものを揃えたいという人にとって、うれしいプランです。